
皆さんは今、どんな道の上にいますか。
その道は、誰が何のために作ったのでしょうか。
今回紹介するのは、『マンジー山の男"Manjhi-The Mountain Man-"』という作品です。
亡き妻への愛から、22年かけて山を掘り続けて道をつくったあるインド人男性の実話が映画化され、2015年8月に公開されました。
インドの貧しい労働者、ダシュラト・マンジー(Dashrath Manjhi)さんは1959年に事故に遭った妻を、緊急医療が間に合わなかったために亡くしてしまいました。最寄りの町にある病院へ行くには、55キロも山を迂回しなければならなかったのです。
すると、他の村人には同じ目に遭ってほしくないと考えたマンジさん。
妻の死後、途方もない取り組みを始めました。昼夜を問わず、鑿(のみ)とハンマー🔨だけで、岩山を少しずつ掘り進めたのです。
インド東部ビハール(Bihar)州のグワリエール(Gwalior)村から隣町まで直接経路を堀り、55キロの道のりを15キロに短縮したのです。
全長約110メートル、幅は9メートルを超える道が完成したのは、着工から22年後の1982年のことでした。
この映画で主役のマンジさんを演じたボリウッド・スターのナワーズッディーン・シッディーキー(Nawazuddin Siddiqui)氏は「美しくて感動的な話だ。彼は不可能を可能にし、自分の行動で大勢の人を救った」とAFPに語ったそうです。
マンジさん本人は、2007年に胆嚢(たんのう)がんにより73歳で死去。彼が住んでいたビハール州では、州葬が執り行われました。
マンジさんが山を切り崩し始めた当初は、地元の人は彼が正気を失ったのではないかと語っていたそうです。しかし彼らは考えを改め、やがて彼の努力を認めるようになっていきました。
そうしてマンジさんが堀った道は、開通から30年が経った頃、ようやく舗装され、村と街をつなぐ「道」が完成したのです。
彼が妻の為に流した汗は、多くの人々の涙を誘うことでしょう。
この作品は日本では公開されていませんが、インドに行った際には、
ぜひNetflixなどで観賞してみてください!!!
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